ルルのエッセイ


by rurucafe

<   2012年 05月 ( 1 )   > この月の画像一覧

どこに行くの

祖父が亡くなりました。

去年の始めに祖母がなくなったので、本当に「追いかける」みたいな形になってしまいました。気丈で昔気質の祖父。おばあちゃんが一番の話し相手だったのかな。妻を亡くしてからは頻繁に、近くに住む家族にずいぶん電話をかけたり、来いと行ったりしていたようだけれど、隣にいた存在を埋めるものは結局無かったのかもしれないな。

散歩が好きで、散歩のついでに寄る立ち飲み屋が好きで、肌の色つやが良かった祖父。通夜でも葬式でもみんなの口から出るのは、酒に関する祖父の逸話ばかりでした。
祖母の通夜と葬式には、気丈に出席する祖父の姿があり、みんなが足の悪い祖父を気遣いながら全てをこなしていたので、寂しさよりは祖父を心配する気持ちのほうが大きかったように思えます。
でも、その祖父の姿がまだ鮮明に思い浮かぶのに、祖父の顔はまるで寝ているみたいに穏やかなのに、寂しさとか虚しさとかいろんな気持ちが渦巻いて、祖母のときより涙が出てきて仕方なかった。

ついに、ついに、祖父母とも別の世界に旅立ってしまった。
あの世で会っているのかなと言いながらも、本当に人は命を終えてしまった後にどこに行ってしまうのだろうかとしみじみ考えた。

小さな頃からおしゃべりだった私は、遠くに住む祖父母によく手紙を書いていました。
祖父が少し名前の引き出しがあやしくなり始めてからはとんと書いていなかったから、じいちゃんとそしてばあちゃんに宛てて最後の手紙を書きました。

もうじいちゃんばあちゃんへと長崎に手紙を出す事はないのだ。年賀状に私の名前をしたためてくれる人が1人減ってしまったのだ。その寂しさはあります。
だから、普段書いているような近況報告と、普段は書かないような気持ちもしたためて最後じいちゃんに渡しました。
読んでくれたかなぁ。

見送るときも、見送った後も、お酒を飲みました。祖母の葬式の後、みんなで囲んだ食事の席でじいちゃんが一番気にしてくれていたことが「おお、飲んどるか?お酒あるか?」だったから。

このお酒好きはじいちゃんから受け取ったもの。そして高い笑い声はばあちゃんから。
その2つは今の私をとても助けてくれているよ。
ありがとう、じいちゃん、ばあちゃん。

空々しいことは言わないけれど、でもまたこれからちゃんと生きていこうとちょっと思った。
命を見送るということは、本当に大切で哀しくて大きな重い儀式なのだと、思う。

f0011738_2353869.jpg

[PR]
by rurucafe | 2012-05-02 23:00 | エッセイ